インクリメンタリティとは

インクリメンタリティは、「増分性」と訳されます。

広告で、メディアの「増分性」は、メディアチャネル、キャンペーン、広告セット、または戦術が業績に与える「真の増分貢献」を表します。

例えば、マーケティング担当者が Facebook広告を掲載すると、Facebookは、広告が経由したコンバージョン(ラストタッチ アトリビューション)の100%を評価します。

しかし、これらの結果には、Facebook広告が表示されていなかったとしても発生していたであろう「コンバージョン」も含まれるため、誤解を招く可能性があります。

広告の実際の貢献または影響を表すのは、何らかの形で変換(コンバージョン)されたであろうものを超えた、追加の (または増加した) コンバージョンです。それが漸進性です。つまり、問題のメディア、この場合はFacebook広告によって、真に引き起こされたコンバージョンです。

具体的には、オーガニック検索によるLPへの流入と、Facebook広告経由のLPへの流入を、常に区別できるわけではない、ということです。

このことでマーケティング予算の算定ミスにつながったり、最悪の場合オーガニックのランディング(コンバージョン)に対して必要のない広告予算を計上するという、無駄な出費を招くこともありえます。

このような事態は、マーケティングキャンペーンの影響とオーガニックトラフィックの程度を示すインクリメンタリティ計測により解決できます。

インクリメンタリティ計測の方法は?

それでは、どのように増分性・インクリメンタリティを計測するのでしょうか。

インクリメンタリティは、実証済みのテストおよび制御実験の方法論を通じて最も効果的に測定されます。

マーケティング担当者は、意図したオーディエンスの統計的に有意なセグメント (コントロール グループ)からテスト対象の広告または処理を差し控えることにより、広告にさらされていない場合でもコンバージョンを達成しているターゲットオーディエンスの割合を判断できます。

露出したオーディエンス(テスト グループ)による合計コンバージョンからそのパーセンテージを差し引くと、問題のメディアの実際の増分貢献度、つまり増分率が得られます。

増分測定は、上記の単純なホールドアウトテストから多変量実験まで、複雑さが異なる可能性があるため、訓練を受けたデータ サイエンティストの専門知識が必要となります。

しかし、慎重に設計&適切に実行された場合、制御された実験は無制限のソースからのデータを利用して、マーケターがテストしたいほぼ全ての増分影響を明らかにすることが可能です。

例えば、A/Bテストのようにコントロールされたグループと、そうでないテストグループと2つのグループを設定し、違いを係数として計算する方法です。

コントロールグループとテストグループ

一般にコントロールグループは、テストおよびコントロールリーチの合計の最低 10%を占める必要があります。

テストグループは広告を受け取りますが、コントロールグループは広告を受け取りません。

コントロールオーディエンスを構築する方法は複数あります。いくつかの例は次のとおりです。

  • プラセボ広告または基本的なブランドの「アンカー」広告を、露出したオーディエンスの正確なレプリカまたはミラーオーディエンスに提示する
  • 広告露出からターゲットオーディエンスのサブセットを抑制
  • プログラマティックの実行には、メディア オークションで落札できなかったターゲットオーディエンスの反事実的な入札損失データがあります。

インクリメンタリティ(増分)の計算式は?

インクリメンタリティ(増分)を計算するには、テストグループとコントロールグループの間のコンバージョンの差を計算します。

(テストCVR– コントロールCVR) / (テストテストCVR) = 増分

増分テストの計算例

テストグループでは 1.5%のコンバージョンが見られましたが、コントロールグループでは 0.5%のコンバージョンが見られました。

コントロールデータは、メディアへの露出がなければ、0.5%のコンバージョンが見られることを示唆しています。

コンバージョンとは、リード、売上、利益、またはビジネスにとって重要なあらゆる指標を意味する可能性があることに注意してください。

したがって(1.5% – 0.5%) / 1.5% = 66.7% のコンバージョン増加率

インクリメンタリティテストに適したチャネルは? 

多くのインプレッションを生成するが、クリックのような即時アクションではない広告には、最終的にコンバージョンや売上につながるブランド価値があります。

オンラインディスプレイ、YouTube、Facebook、テレビ、ダイレクトメールなどのチャネルはすべてインプレッションを提供しますが、必ずしもクリックやダイレクトレスポンスのレベルで測定されるとは限りません。そこで、増分テストの出番です。

インクリメンタリティまとめ

インクリメンタリティを知ることで、広告費用とそれにアトリビュートされたコンバージョン数を元にコストを把握し、それに応じて広告費の調整をすることができます。